いのちと向き合う
我が家では、今年の夏初めからカブトムシのオスを4匹飼うことにしました。
夫が会社の取引先からいただいた、幼虫4匹がカゴの中で、モゾモゾ動きながらあっという間に孵化して、カブトムシの姿へと成長したのでした。
当初、こどもがカブトムシのお世話をするのは難しいと思っていました。
理由は、日頃よく、動物を飼いたいと口では言うものの、お世話の内容を共有して本当にできるか確認すると、「やっぱ無理かも〜。」と毎回口にしていたため。
とはいえ、夫が勝手に(ここ大事)もらってきてしまったのですから、お世話をしないわけにはいきません。
カブトムシの寿命はおよそ120日。
120日の間、こどもはどのようにカブトムシと向き合うのでしょうか。
あっという間に死んでしまったらどうしようか、と考えることもありました。
毎日、夜中になるとカゴの中でぶんぶん、飛び回り、大きい音で羽ばたかせている姿に私は毎回ビクビクしていましたが、こどもはというと、毎日欠かさずカブトムシのゼリーをあげて、元気な様子を確認していました。
最初は不安があったものの、愛情を持ってお世話をする我が子の姿に安心しました。
しかし、ある日、朝学校に行く前にカブトムシの様子を確認していると、4匹の内の1匹が全く動かず、夫曰く、オスしかいないため、カブトムシ同士で戦って、死んでしまったのであろうということでした。
学校から帰ってきたら、埋めに行ってあげようとこどもと約束し登校していきました。
帰宅してすぐにカブトムシの亡き骸を庭に埋めに行きました。
朝も、帰ってきてからも淡々としていた我が子でしたが、実際に土を掘って、カブトムシとさようならの挨拶をしているときに、こどもは「かなしい。」と言い、涙しているのでした。
私はその瞬間、胸が締め付けられました。
なぜもっとこどもがいのちと向き合っているこの期間を一緒に育むことができなかったのかと。
こどもがカブトムシをお世話している間、私にはもっとできることがあったのに。
いのちに対するありきたりな思いをこどもに伝えて、その場を後にしたのでした。
こどもはいのちに終わりがあることに恐怖や怖さを感じている様子があります。
それは当然かもしれませんが、今からでも遅くない。
こどもと一緒にいのちと向き合いたいと改めて思ったのでした。