11月8日(金)【父親スイッチ】
こんにちは。小児科・産婦人科看護師のヤゴメです。
私の大好きな絵本作家のヨシタケシンスケさん。答えのないテーマについて、大人も子どももつい考えてしまう「発想絵本」を数々執筆しています。先日、ヨシタケさんが自身の体験を綴ったエッセイ『ヨチヨチ父 とまどう日々』を本屋さんで発見して衝動買い。つらさも含めた育児のリアルをパパ目線で描いた作品なのですが、これが今まで読んだ中で一番おもしろい!何がおもしろかったかって、男性が「こんなこと言っちゃいけない」と思っている本音を言ってしまうこと。例えば出産の痛みに耐える妻の姿や、産まれたてでクシャクシャな我が子を目の当たりにしたときを振り返って、
「父になって最初の仕事は『正直な感想を胸の奥にしまうこと』ではないでしょうか」
なんて書いちゃうんです。
やっぱり自分の体には何も変化が起きない男性にとって、父親の自覚を持つって大変なのかもしれません。でも男性の準備が整ってないからと言って、それまで赤ちゃんにお腹の中で待機してもらうなんてできません。たくさんの妊婦さんが父親スイッチ探しに試行錯誤しているのではないでしょうか。自治体の両親学級を担当している知人の助産師さんは、プレパパ教室で必ず行うことがあるのだそう。
「赤ちゃんの泣き声をyoutube使って流すの。それで『まだ◯分しか経っていません。一日中、ずっと聞き続ける日だってあるかもしれません』って話すとね、男性も子育ての大変さがリアルに想像できるのよ」
全国のプレママさん!父親スイッチはこんなところにあるらしいですよ!
うちの夫は末っ子長男で小さい子が苦手。でも赤ちゃんの泣き声を聞いてこんなことを言いました。
「あれは眠いんだな」
天性の父親力!?なんて思ったけれど、残念ながら違いました。
「赤ちゃんの泣き声を聞くと、いつも君がなんで泣いているのか教えてくれるから、聞き分けられるようになっちゃった」
かなりフライングで、私は夫の父親スイッチを押してしまったみたいです。本当に赤ちゃんが来たときに、これが吉と出るか、凶と出るか。