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6月9日(火)【薬剤師が語る 患者さんとのギャップvol.1「薬情(薬剤情報提供文書)」】

こんにちは。薬剤師ライターのもっちゃんです。
本シリーズは、調剤薬局で勤務経験のある中堅薬剤師が、日常業務の中で感じた患者さんと薬剤師との思考ギャップについて、あまり畏まらずに、ゆるやかにお伝えしていくシリーズです。

これをお読み頂くことで、少しでも、薬剤師(薬局)の活用イメージが増えて、より、ご自身の健康サポートに、お役立ていただけたら嬉しいと思います。

第1回目の今回は、いわゆる「薬情」。
薬局でお薬を貰うときに一緒についてくる、
写真つきの説明書(薬剤情報提供文書)にまつわるギャップのお話。

あなたは、内心、
「薬情読めば分かるし、薬剤師の説明はいらない」
と思っていませんか?

私が接してきた患者さんの中には、こんな方もいました。
「説明いらないから薬情だせ!」
「薬情いらないので(お会計)安くなるでしょ」
「薬情見るから説明いらない、(お会計は)幾ら?」

大前提として2020年6月時点では、
2020年の調剤報酬改定※1に基づき、薬情を貰っても貰わなくても、会計は変わりません。

そして、薬情を見れば、処方内容の殆どが記載されている、と思わないでほしいのです。薬情は、殆どの場合、薬局に導入するコンピューター(保険診療対応、レセプトコンピューター)から随時編集して出力(印刷)します。

年齢や性別ごとに設定して出力することは出来ても、
その方の疾患や、ましてや適応外処方※2にあわせて都度、文章を編集して出力するにはとても手間がかかります。

例え、疾患名で薬情の文書詳細が自動振分けできたとしても、
処方箋に患者さんの疾患名が書かれている訳ではなく、
その詳細にあわせた文書編集を都度行うのは非常に困難でいて非効率です。
これはつまり、患者さんの待ち時間に直結します。

薬ひとつ一つに、適応症や適正量(用量)は幾通りも存在し、
また、多いものなら、数十以上という副作用も存在することは少なくありません。
加えて、患者さんの背景、主となる疾患の他、
年齢、合併症、併用薬、嗜好品、遺伝、食生活、etc…、
薬効や相互作用というのは、個別に大きく影響を受けます。

つまり、一言でいうと、薬情に100%の情報を載せるのは無理に等しいのです。

そこで、薬剤師は、その患者さん個々について、上記の背景や、現在の状況、処方スパンなど詳細を、確認→分析→評価し、安全であることを確認したのち、お渡しします。

万が一、その詳細を評価したのち、不可解(疑義)の生じる際には、医師へ問合せする事を患者さんへ提案します。
この時(提案内容が患者にとって安全でない、または不適切であると判断した場合)、患者さんが提案を断るならば、薬剤師は調剤を拒否することが出来得る旨、法律に明記されています。※3

確かに、薬剤師も言葉は悪いですが、そのスキルには個人差も多く、
一言目には

「お医者さんは何て言っていましたか?」
「今日はどうされましたか?」
「今日の血圧いくつでしたか?」
と、あたかも診断を思わせるような文言を
問いかけてくる薬剤師もいると思います。

すでに信頼関係がそこにあれば、ギクシャクしませんが、
初対面に近い関係だと、
「医者でもないくせに。処方箋通り薬さえくれればいい」
と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

※1 調剤報酬改定:2年毎に行われ、偶数年の4月1日より施行となる、保険診療に係る算定の在り方や基準について見直しがされること。これにより、患者個々の支払い金額の他、様々な算定基準や点数が変動し、保険診療に伴う調剤業務を扱う企業はすべて、この改正に従って算出する。2020年4月1日に改正された。

※2 適応外処方:本来、その薬の効能効果として承認を受けた適応(疾患・疾病)以外に、経験則や周知申請により、処方されること。