3月20日(金)【自然の猛威にご注意を】
こんにちは。小児科・産婦人科看護師のヤゴメです。
「生理痛がつらいんですけど、なるべくピルは飲まずに、漢方とか自然な方法でお願いしたいです」
このセリフ、婦人科で問診していると月に2、3回は耳にします。これを聞いたときの私は胸中穏やかではなくて、
「一体なにをもって、自然か、そうでないのかを判断しているのかしら!」
なんて、考えてしまいます。「ホルモン剤を使って意図的に排卵を止める」ことが自然なことではないと言いたいのだろうけど、そもそも今を生きる私たちのライフスタイルが、卵巣や子宮にとって「自然」じゃなくなってきているのに。
昔に比べて初経を迎える年齢が早くなったことに加えて、出産回数も少なくなった現代女性。一生のうちに経験する生理の回数は、50年前の女性の約10倍とも言われています。ホルモン剤を飲まないことと、卵巣や子宮を酷使すること、どちらが「自然」に反しているのでしょうか。
そもそも、女性にとっての「自然」って、すごく過酷。だって、毎月やってくるホルモンの波にのまれながら、来る日も来る日も、仕事に、家事に、妊娠・出産・子育てに、常に何かに追われて生活している。だから現代女性はすごく疲れていて、「自然・ナチュラル・ありのまま」って言葉が、キラキラ輝いて見えちゃうのだろうな。
「自然」って奥深いけど、「自然」の猛威は恐ろしい。