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10月25日(金)【本質を学ぶ】

こんにちは。小児科・産婦人科看護師のヤゴメです。

私には10歳下のいとこがいます。キャラ立ちしていて、すごく可愛いんです。そんな彼女の伝説を、先日久しぶりに会った祖母が懐かしそうに語ってくれました。

「夏休みの読書感想文で、『面白かったです』ってだけ書いて出したのよ」

もう、あっぱれの一言に尽きます。先生や両親に褒められたくて、原稿用紙を埋める方法を塾考していた私には、とうていマネできません。

すると母が、私を大きく裏切る発言をしたんです。

「読書感想文なんて、読んだかどうかの確認のためでしょう。『面白かったです』で充分よね」

そういえば、読書感想文も含めて文章の書き方を学校で教わった記憶って、ないかもしれません。きっとみんな思考錯誤しながら、人に伝わる文章の書き方を身につけているのでしょう。

でも学校で習ったことが 、必ずしも身につくわけではありません。それを実感したのは、私が大学病院の小児科で看護師をしていたときのこと。新人だった私は、中学生の男の子を担当することになりました。彼は大腸の病気で、退院後は脂質を控える必要がありました。

「学校で勉強したと思うけど、三大栄養素って知ってる?」

私のこの質問に、ポカンとする彼。その反応に、動揺してしまう私。そんな彼ですが、最後は脂質控えめレシピを自分で調べられるほどに成長して、無事に退院していきました。一生忘れられない思い出です。

たとえ学校でいくら勉強してみても、実際にその知識が必要な場面にならないと、人が本質を学ぶことは難しいのかもしれません。一方で、独学であっても必要に迫られて学ぶことで、本質を手に入れられることもあるのでしょう。だから私は自分に言い聞かせます。きっと読書感想文を一生懸命書いていたあの努力は、こうして文章を書くお仕事につながったはずだと。