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6月5日(金)【薬剤師が教える 薬局の選び方 vol.7「処方箋、まとめて出すと安くなる?!」】

こんにちは。薬剤師ライターのもっちゃんです。
新型コロナウイルス感染症拡大対策のため、普段よりも医療機関に行く回数が減っている人が多いと思います。

実際のところ、今年2020年3月に全国の薬局が受け付けた処方箋枚数は、昨年3月よりも10%減っていました。
色んな意味で医療崩壊が心配されている状況ですが、令和2年4月には、2年ごとに行われている調剤報酬制度が予定通り改定されたのをご存じですか?

今回は、変更になった部分のうち、
「2つ以上の病院からもらった処方箋は、まとめて1カ所の薬局に同時に持ちこむとお会計が安くなる!」
という変更点について紹介します。

「え?今までは高かったの?」と思う人もいるかもしれませんね。高かったのではなく、同時(来局した日に同じタイミング)に持ち込んでも、日にちをずらして持ち込んでも、お会計には差がなかったということです。
どのくらい安くなるのかというと、今まで(令和2年3月31日まで)よりも調剤基本料が20%安くなります。

ここで分かりづらいのが、「調剤基本料が」というところです。これは、薬局の窓口で支払うお会計の総額から20%安くなる訳ではありません。
以前の記事でも紹介しましたが、薬局のお会計は、いくつもの算定項目をあわせた合計金額から、患者さんの保険負担割合分だけを窓口で請求されます。必ずもらえる明細書には、その算定項目の内訳と、各金額(10円=1点として記載)が書かれています。それをよく見てみてください。2つ以上の病院の処方箋をまとめて一度の受付で出したとき、その支払い額の合計は、バラバラに出すよりも10~30円位、安くなります。

そんなに大きな差額ではないとガッカリされたかもしれませんが、国からすると大きなメリットです。
保険負担割合が3割の人で30円安くなるということは、単純に計算すると、そのとき国が支払う医療費は70円、安くなります。
1日100人の患者さんが処方箋を出す薬局なら、7,000円/日、1ヵ月(25日の営業)で175,000円/月も、一つの薬局で医療費が削減できます。
加えて、同時に複数科の処方箋を持ち込むことにより、重複して処方されている無駄な薬に、いち早く気付けます。

そして、もっと大切なことは、「気付かずに重複した効能の薬を飲んでしまう」「薬の組み合わせで起こる相互作用」これらを回避できることが、患者さん自身にとって、最も重要です。

実は2018年からすでに始まっていた、地域性など限定的なオンライン服薬指導(モニターやパソコンなどオンラインを使って医師の診察を受けたあと、薬の説明も薬剤師がオンラインで行うもの)とは別枠で、今回の新型コロナ感染症拡大対策として、オンライン診療&服薬指導が急速に普及しました。
これにより立地にとらわれることなく、一カ所の薬局へまとめて処方箋を持ち込む流れが築けたともいえます。

この機会に、自分のお気に入りの「かかりつけ薬局」を探してみるのもよいですね。このブログを読んでくださった方が、どんな病院からの処方箋でも安心して持参できる薬局・薬剤師さんにめぐり逢えることを祈っています。

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